滞納常習者の60近い単身女性。
アルバイトで生計を立てている。
膝が悪くて、あまり歩けない。
この人には頼れる身内も、友人もいない。
保証人は友人だが、高齢で経済力はない。
金銭的補償は無理。

で、20万近く滞納中。
以前、2か月連続で払わなかった。
払えないときは相談してと電話。
それ以来、満額家賃を払えないときは電話があり
「今月は3万だけ払わせてください」
などと言ってきて、私は容認してきた。
去年は熱中症で動けないと電話があり
飲み物を買って持って行ったりもした。

この正月、
「大家さんのおかげで正月を無事に越えられました」
と、泣きながら挨拶。
「3月からはきちんと払います」

で、一昨日電話があって
「今月もお金がないので、家賃2万円だけ払います」
という。
「あのね、いつまでそういう事続けるの？正月に約束したでしょ」
「でもコロナの影響で・・・・」
「それはわかるけど、働けないんだったら生活保護も検討したら？」
「それは嫌なんです」
「嫌でも、家賃払ってもらわないとダメだよ。約束したでしょ。きちんと払うって。もうダメです。出て行ってもらいます」
と言った。


今朝、電話があった。
「生活保護の相談に行きます。ダメだったらどうしましょう」
「その時は力になりますよ」
「ありがとうございます。一生ここで暮らさせてください」
電話の向こうに涙が見えた。

滞納はいけない。
だけど、人生困ってしまう時もある。
そういう時に多少なりとも力を貸して
ありがとうって言ってもらえるのっていいねえ。
これからは家賃をしっかり払ってもらえそうだ。
死ぬまでここで暮らさせてください？
ありがたいねえ。

愛は大切だねえ。