私は小規模なデイサービスをやっている。
平成14年に立ち上げた。
当時の介護報酬で収支を考えると、かなり儲かると考えた。
デイサービスは定員5人につき1人のスタッフが必要。
定員10人なら2人、15人なら3人だ。
しかし、当時の介護報酬だと
定員15人で5人のスタッフを配置しても収支は成り立った。
そこで3人で済むところを5~8人スタッフを配置した。
デイに来て、しっかり会話を楽しめるよう手厚い要員配置をとった。
おかげで
「家庭的でいい」
「楽しいデイだ」
「生きがいができた」
などと好評を博した。
事業も順調に伸びていった。
しかし、FCで大儲けをしようという輩が出てきた。
それに群がる人も出てきた。
やがて、そのFCをつぶすかの如く介護報酬が改訂された。
割を食ったのが、善良なデイサービス。
その報酬を前提にコストのかかるサービスを提供していたところは大打撃だ。
私のデイに来る人の生きがいを奪ってはいけない。
そう考えた私はサービスの質を維持するために役員報酬を下げた。
正社員より安い。
時給換算すると最低賃金をはるかに下回る額だ。
役員だから可能な選択肢だ。
今、決算に向けて経理業務をしている。
経理は面倒で大嫌いだ。
やりたくない。
辛い。
儲からない数字は見たくない。
やらないで済む方法はいくつかある。
一つ目は経理担当を雇う。
雇って全部任せる。
しかしこれはコストがかかりすぎて無理。
二つ目は外注。
これも結構コストがかかるので無理。
これらのコストをねん出するには売り上げを伸ばせばいい。
しかし、介護報酬も、定員も決められている。
デイの売り上げを伸ばすには新規出店しかない。
三つめの選択肢は
デイの廃止。
これが一番楽だ。
今後介護報酬が上がるとは考えにくいので
儲からないならさっさと辞めればいい。
賢者の経営者の選択だ。
愚かな私は思う。
うちのデイが無くなったら
田中さん(仮名)は悲しむだろうなあ。
佐藤さん(仮名)は引きこもってしまうだろうし
斎藤さん(仮名)は老人ホーム送りだねえ。
鈴木さん(仮名)は東京の息子さんと狭いアパートに同居だ。
慣れない土地で死ぬのは嫌だろうなあ。
家族とのけんかも増えるだろうなあ。
などと考えてしまう。
ほんとにバカだねえ。
悲劇の始まりは
売価を自分で決められない事業に手を染めたこと。
努力していいサービスを提供すれば損する事業。
努力すればその分損する事業。
良い子は
こういう事業をやってはいけない。
相手が国だから安心。
取りはぐれがない。
それはある意味正しいが
事業展開を判断するには
儲かるか、やってみたいか、社会に役立つかを考えるが
重要なのは
努力が実るか否かだ。
そして最も重要なのは
事業を廃止できるかということかもしれない。
平成14年に立ち上げた。
当時の介護報酬で収支を考えると、かなり儲かると考えた。
デイサービスは定員5人につき1人のスタッフが必要。
定員10人なら2人、15人なら3人だ。
しかし、当時の介護報酬だと
定員15人で5人のスタッフを配置しても収支は成り立った。
そこで3人で済むところを5~8人スタッフを配置した。
デイに来て、しっかり会話を楽しめるよう手厚い要員配置をとった。
おかげで
「家庭的でいい」
「楽しいデイだ」
「生きがいができた」
などと好評を博した。
事業も順調に伸びていった。
しかし、FCで大儲けをしようという輩が出てきた。
それに群がる人も出てきた。
やがて、そのFCをつぶすかの如く介護報酬が改訂された。
割を食ったのが、善良なデイサービス。
その報酬を前提にコストのかかるサービスを提供していたところは大打撃だ。
私のデイに来る人の生きがいを奪ってはいけない。
そう考えた私はサービスの質を維持するために役員報酬を下げた。
正社員より安い。
時給換算すると最低賃金をはるかに下回る額だ。
役員だから可能な選択肢だ。
今、決算に向けて経理業務をしている。
経理は面倒で大嫌いだ。
やりたくない。
辛い。
儲からない数字は見たくない。
やらないで済む方法はいくつかある。
一つ目は経理担当を雇う。
雇って全部任せる。
しかしこれはコストがかかりすぎて無理。
二つ目は外注。
これも結構コストがかかるので無理。
これらのコストをねん出するには売り上げを伸ばせばいい。
しかし、介護報酬も、定員も決められている。
デイの売り上げを伸ばすには新規出店しかない。
三つめの選択肢は
デイの廃止。
これが一番楽だ。
今後介護報酬が上がるとは考えにくいので
儲からないならさっさと辞めればいい。
賢者の経営者の選択だ。
愚かな私は思う。
うちのデイが無くなったら
田中さん(仮名)は悲しむだろうなあ。
佐藤さん(仮名)は引きこもってしまうだろうし
斎藤さん(仮名)は老人ホーム送りだねえ。
鈴木さん(仮名)は東京の息子さんと狭いアパートに同居だ。
慣れない土地で死ぬのは嫌だろうなあ。
家族とのけんかも増えるだろうなあ。
などと考えてしまう。
ほんとにバカだねえ。
悲劇の始まりは
売価を自分で決められない事業に手を染めたこと。
努力していいサービスを提供すれば損する事業。
努力すればその分損する事業。
良い子は
こういう事業をやってはいけない。
相手が国だから安心。
取りはぐれがない。
それはある意味正しいが
事業展開を判断するには
儲かるか、やってみたいか、社会に役立つかを考えるが
重要なのは
努力が実るか否かだ。
そして最も重要なのは
事業を廃止できるかということかもしれない。
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